日本百名山を効率よく完登する方法

山のコト


この記事では、日本百名山を2年で完登した筆者シャチが、どのようにして効率よく制覇するかについて考えました。

『百名山踏破を目指しているけど、どう回ればいいの?』、『貴重な長期休暇の遠征で効率良く百名山を登りたい』

などと悩まれている初心者の方の参考になれば幸いです。

エリア、季節、天気の3つで決める

結論から先に書くと、

  1. エリアごとに情報をまとめる
  2. 季節で決める
  3. 天候で決める

この三つが大事なポイントになってくると思います。

そもそも日本百名山って?

ポイントについて説明する前に、そもそも日本百名山ってなんぞや?

〝『日本百名山』は文筆家で登山家の深田久弥が1964年に出版した、同名著書の中で選定した日本の名峰100座〟

コスパ?タイパ?問題

一概に「効率」と言っても 時間を節約(タイムパフォーマンス)するのか? 遠征にかかる費用を節約(コストパフォーマンス)するのか?で答えが変わってきそうです。

例えば都心から比較的近い丹沢山や雲取山は交通の便も良く、自家用車よりも電車などの公共交通機関で行った方が費用は抑えられるでしょう。しかし、ほとんどの登山口はアクセスが悪いので、総合的にみると自家用車の方が圧倒的に有利です。車中泊しながら転戦したり、荷物をたくさん運搬できるのも大きなメリットです。

一方、例えば首都圏から九州や北海道などへ遠征する場合は、自家用車を延々と運転するよりも飛行機や高速バス、フェリーで行き現地でレンタカーを借りるのが最もコスパ、タイパのバランスが良いと感じました。

エリアごとにまとめる

僕の場合はまず一度の遠征で転戦できそうな山をエリアごとにまとめていました。

以下は実際にグループ化したものです

北海道エリア
  •  羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳、トムラウシ、大雪山、十勝岳(女満別空港着、旭川空港発)
  •  幌尻岳、羊蹄山(新千歳空港着発)
東北エリア
  •  岩木山、八甲田山
  •  八幡平、岩手山、早池峰山
  •  磐梯山、安達太良山、西吾妻山
関東甲信越エリア
  • 男体山、至仏山
  • 会津駒ヶ岳、燧ヶ岳
  • 至仏山、燧ヶ岳(尾瀬ヶ原経由で縦走しバスにて車回収)
  • 谷川岳、武尊山
  • 金峰山、瑞牆山
  • 妙高、火打、高妻山、雨飾山
  • 蓼科山、美ヶ原、霧ヶ峰(1日で回れる)
南アルプス
  • 北岳、間ノ岳(農鳥岳をプラスして縦走、奈良田〜広河原バス移動し車回収も可)
  • 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳(北沢峠起点)
  • 光岳、聖岳、悪沢岳、赤石岳(畑薙第一ダム起点)
北アルプス
  • 白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳
  • 薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳(折立登山口起点)
  • 立山、剱岳
近畿、北陸、中国エリア
  • 白山、荒島岳、伊吹山
  • 大台ヶ原、大峰山
九州、四国エリア
  • 剣山〜石鎚山〜九重山〜阿蘇山〜祖母山(フェリーで九州へ渡る)

 

こんな感じで、あらかじめザクっとまとめておけば一回の遠征で必要な日数や費用などの目安が想定しやすくなります。

また、例えば中央道からアクセスする甲斐駒ヶ岳など北部と、東名、新東名からアクセスする畑薙第一ダムなど南部の登山口では、同じ南アルプスでもかなり離れています。エリアごとにまとめることで、大体の山の位置を鳥瞰図的に把握できるのも利点です。その後の山行計画を立てる上で非常に役立ちます。

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季節で決める

冬もよく登られている山はとっておく

冬山装備を揃えて本格的な雪山にチャレンジするつもりがある、またはすでに装備を持っているという人は百名山の中で積雪期にもよく登られている山を調べて冬に登りましょう。例えば木曽駒ヶ岳や伯耆大山などが挙げられます。ただし強風や滑落など雪山は夏に比べて危険が増すので、講習を受けたり経験者と登るなど万全の備えを。

夏はアルプスや北海道へ

逆に夏は、冬の登頂が無理目なアルプスの山々や北海道をオススメします。高所登山の適期は短いのですし、何より暑い下界から逃れるためにも3000メートル級の山々に登るのが一番だと思います。

春、秋は1000〜2000メートル級の山へ

春、秋は気温も和らぎ2000メートル前後の山は暑さ、寒さの影響を比較的受けずに登山できます。また春には新芽が芽吹いて花が咲き誇り、秋には深まる紅葉を眺めながら歩く楽しさもあります。樹林帯が長くなりがちな2000メートル級の山々では、気分が上向きで歩けるかどうかも転戦の続く遠征では大事なポイントだと思っています。

天候で決める

最終的にどこの山に行くか天候を見て判断します。何を当たり前のことを?って感じですが、ここでエリアごとにまとめておいたグループ化が役に立ちます。

行きたかった山域の予報が悪かったら、エリアをガラッと変えてグループ化したリストの中から晴れそうな場所を選びます。あらかじめプランB、プランCも大まかな山行計画を立てて情報収集しておくのがとても大事。

僕の場合は、歩き始めの時間帯の天気予報が悪くても、山頂や夕方、明け方の予報が良ければGO!です。むしろ連日どピーカンの予報よりも天候が回復していく時を狙った方が劇的な光景に出会える確率が上がって良きです。

 

まとめ

この記事では、百名山を効率的に完登する上で

  1. エリアごとに情報をまとめる
  2. 季節で決める
  3. 天候で決める

ことがポイントだと書いてきました。まぁ、百名山に関しては色々と否定的な意見も結構ありますが、僕自身は日本のエリアごとに山の持つ雰囲気が違うことが分かって、それぞれの魅力を比較することができたので全座登頂は非常に有意義な経験でした。写真撮影を目的とした登山と効率重視のピークハントは相性がすこぶる悪く、自分の理想とするスタイルとは異なっているということにも気づけてよかったです。

今はどちらかというとどう考えても日帰りの山にいかにして泊まるかみたいな山行ばかりですが、少しずつ三百名山も進めているので、今回は自分自身にとって良い振り返りの機会となりました。

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